マルタは公式には欧州連合で最も小さな国ですが、太陽光発電に関しては大きな野望を抱いています。EUによる再生可能エネルギーに関する積極的な目標を達成することは、この島国で太陽光発電が増加している理由の1つにすぎません。
北アフリカとシチリア島の間に位置する群島、マルタ諸島は、古代文明の初期から地中海の中継地点として役割を果たしてきました。今日、マルタはEU域内で最も人口密度が高く、エネルギー需要も年々増加しています。これまではエネルギー供給を完全に輸入に頼ってきましたが、豊かな日差しに恵まれていることから、マルタは太陽光発電の導入に理想的な環境です。しかしその反面、最も難しい課題となる数々の要素も抱えています。
年間300日もの晴れの日に恵まれながらも、周囲の海からは強風によって砂や塩分が大量に飛ばされるため、どのようなソーラーパネルでもマルタでは試練に見舞われます。したがって、このような過酷な気象条件に耐えることが実証された耐久性と、気温変動への耐性を備えていることが求められます。
マルタでは今、サンパワー製品の設置が急増しています。マルタは1人あたりの太陽光発電量がEU域内で4番目に多い市場であり1 出典:EUROBSERV’ER ― 2019年4月 、2012年から8倍以上も成長しています2 出典:Wood Mackenzie ― 2019年度太陽光発電のグローバル展望 。この急速な成長により、マルタは2020年までに消費電力の10%を再生可能エネルギーにするという目標を達成し、競争の激しい太陽光発電市場ともなっています。
サンパワーのパートナーであるオルタナティブテクノロジー社は、マルタ諸島の再生可能エネルギーのリーダーであり、家庭、企業、政府機関の建造物に最高品質の太陽光発電を求める幅広い顧客に向けてサンパワーのシステムを導入してきました。サンパワー製品の最近の設置例としては、マルタ代議院議事堂、マルタ大学、マルタMUZA国際コミュニティーアートミュージアム、海岸のターミナルで操業するオイルタンキングマルタ社などがあります。
日当たりの良い条件と積極的なインセンティブにもかかわらず、マルタにソーラーを設置することには課題があります。
島は紀元前5900年頃からの長い歴史を持ち、最大の都市バレッタには、世界最古の建物が今も支えなしに現存しています。オルタナティブテクノロジー社は、世界遺産にも指定されているこの都市に太陽光発電技術を導入する上で、見た目が美しく、信頼性が非常に高いソリューションが必要であることを理解していました。
「太陽光エネルギーは長期的な投資ですので、これらの過酷な条件にあっても時の試練に耐えることのできるソリューションを提供したいと考えています」とカキーア氏は述べています。
このため同社は、耐久性、変換効率、高温での性能が優れたサンパワーを奨め、顧客もそれに同意しました。
マルタ大学のジョゼフ・ミカレフ教授は、「私たちがサンパワーのパネルを選択したのは、パネルの設置スペースに限りがあるためでした。狭いスペースでも発電を最大にしたかったのです」と述べています。彼は、同大学の11件の太陽光発電プロジェクト(以下を参照)のプロジェクトマネージャーを務めました。「また、1年のうち半年間は極めて暑いため、温度係数の低いPVパネルの使用がとても重要なのです」。
マルタ大学は、11の建物にほぼ2,000のSunPowerソーラーパネル(602kW)を設置しました。
変換効率が高いサンパワーのパネルは、従来のパネルよりも少ない数のパネル設置でより多くの電力を発電でき、ヨーロッパのどの都市にも共通する気温の変動にも、スペースの制約にも対処します。
「私たちは屋根に多くの陰が差しかかる環境で、しかも海に非常に近いという難題を抱えながら、限られたスペースの屋上で1平方メートルあたりの発電量を最大にするという課題に取り組んできました」とカキーア氏は述べています。
サンパワーの洗練されたデザインと高い信頼性は、太陽光発電が島の未来に大きな期待をもたらすマルタのニーズにまさに適していました。
「再生可能エネルギーはマルタにとって重要です。エネルギーの自給自足を進め、人々がよりサステナブルに生きることにつながるからです」とカキーア氏は結んでいます。
オルタナティブテクノロジー社のマリオ・カキーア氏がお客様とサンパワーのシステムを視察