The future of solar lies beyond the panel

ソーラーパネルをスマートフォンのように販売するのをやめよう

Sustainability
Ralf Elias(ラルフ・エリアス)

Ralf Elias(ラルフ・エリアス)

マキシオンソーラーテクノロジーズ、最高プロダクト責任者(CPO)、Ralf Elias(ラルフ・エリアス)

印象では、市場に出ているほぼすべての新しいスマートフォンには、他社製とだけではなく、前年のモデルとの差別化を図るために、新機能がいくつか搭載されています。カメラの機能から顔認識に至るまで、最新世代の各スマートフォンは、前のバージョンになかった革新的なイノベーションによって支えられているかのように感じられます。 

では、スマートフォンがソーラーパネルとどのような関係を持つというのでしょうか。私が思うには、太陽光発電業界は、ソーラーパネルについて、スマートフォン業界と同様の戦略をとっています。ですが、無意味なパネルの機能開発競争に飲み込まれるのではなく、信頼こそ重要であると理解している太陽光発電施工業者の方が、競争上有利な立場にあります。 

この点について、詳しく説明していきます。 

過去10年、ソーラーパネルの差別化には変化が見られました。この数十年間、太陽光発電業界の差別化ポイントはモジュールの価格で、価格下落のペースはかなり加速化しました。2009年にワット当たり約2.78ドルだったモジュールは、2021年にはワット当たり0.27ドルまで下がり、プレミアムの高効率パネルの場合は、さらに急速に下がりました(出典)。より多くの人が太陽光発電を購入できるようになるので、価格下落は重要ですが、近年ではパネル技術の新たな差別化要因のほうがより重要になってきています。

Stop Selling Solar Panels like They’re Smartphones


現在はどのメーカーも、ソーラーパネル1平方メートル当たりの発電ワット数を増やそうと競い合っています。現在、目にする太陽光発電の広告はすべて、主にこの指標を基準にしています。 

免責:私はマキシオンの社員であり、弊社も例外ではありません。実際、私は市場で最も効率的なパネルを販売していることを誇りに思っています。変換効率が高ければ、それだけ太陽光発電の利用者にも利益がもたらされます。より太陽光エネルギーを活かせれば、電気料金をさらに削減できます。また、ワット当たりのコストに基づいてより安価なパネルを設置できるため、これは施工業者にとってもメリットとなります。しかし、変換効率と価格は全体像の一部にすぎません。 

重要なのは信頼であるということが忘れられています。ほとんどのスマートフォンとは異なり、ソーラーパネルはお客様にとって長期にわたって使用する購入品です。私もソーラーパネルを持っていますが、頻繁にチェックするスマートフォンとは異なり、パネルはチェックせずとも長持ちして欲しいと考えています。 

設置初日からパネル当たりの電力を最大限に生み出すことを目指す競争の中で、一部のメーカーは寿命や信頼性をなおざりにしています。たとえば、市場で販売されている多くの従来型パネルには、バイパスダイオードが含まれていますが、そのため摩耗しやすくなっています。これは基本的に、パネルの日陰部分や汚れた部分の動作を停止することで、陰による影響を抑えることを目的としたものですが、パネルがオーバーヒートすると故障の要因になることもあります。マキシオンのパネルは違います。このセル構造は、日陰でもパネル内の電流の流れへの抵抗を少なくすることで、セルの温度を低く保ち、長期間セルを保護できるよう設計されています。 

こうして、お客様により良質の製品を販売できることから、販売店や施工業者は、問い合わせやメンテナンスに費やす時間を減らせます。ユーザーが自らソフトウェアのアップデートをインストールしたり、新しいバッテリーに交換してアップグレードできるスマートフォンとは訳が違うのです。お客様はパネルを購入した後、販売元や施工業者の顔を再び見たいとは思っていません。 

マキシオンではパネルの寿命を重視しているので、そのような問題は起こりません。また、マキシオンは保証によって差別化を図り、より多くの価値をお客様に提供することにも努めています。 

施工業者の皆さんなら、パネルに何か問題が発生すれば、通常は顧客からの第一報を受けるのは自分たちであることをご存知でしょう。その一因は、太陽光発電の保証が時として複雑であるため、出力保証(欠陥)と製品保証(性能)の問題が混同されていることにあります。ですが、性能の問題はどれも欠陥に原因があるように思えてしまいます。マキシオンは、何がどのくらいの期間保証されるのかを曖昧にすべきではないと考えています。そのため、私たちは保証期間全体にわたって出力保証と製品保証の両方を受けられる保証を1種類のみ販売しています。 

これは太陽光発電業界では最長の保証で、製品と電力の保証対象は合計40年です。弊社がこのような選択をしたのは、太陽光発電を生涯にわたって利用できるという安心感を持ってもらうことこそ、パネルの活用を普及させる最も堅実な道だと考えたからです。これは、太陽光発電のお客様にとって何が重要であるかを認識している証であり、弊社のソーラーパネルに対する自信を示すものでもあります。 

私は携帯電話の業界に数十年、携わってきましたが、最終的に自分が所有した端末のうち、一番気に入った機種は最も長く使えた一台でした。太陽光発電のお客様もパネルについて同じように考えていることでしょう。ソーラーパネルの施工業者が競争上の優位に立つには、太陽光の潜在能力をより長期間利用できる高品質なパネルを顧客に提供し、より良いサービスを届けることが重要であると理解することが求められているのだと思います。